マーケティングでよく使われる代表的なフレームワークである「SWOT分析」をご存じですか?
名前は聞いたことがあっても、具体的な意味ややり方が分からないという方も多いのではないでしょうか。
SWOT分析をしっかり理解して、コピーライティングだけではなくマーケティング戦略にも活用してください。
SWOT分析はさまざまなリサーチスキルと併用すると、さらに効果が上がりやすくなります。
SWOT分析とは
SWOT分析はマーケティング手法の一つです
自分、自社の戦略を構築する際、取り巻く環境を分析するために便利なフレームワークです。
コピーライティングにおいてリサーチは絶対に欠かせないものなので、このSWOT分析をぜひ身につけてください。
絶対に役に立ちます。
それでは、使い方の詳細を解説します。
SWOT分析の4つの要素を解説
SWOT分析では内部・外部の環境を、プラス要素とマイナス要素の両面から洗い出します。
SWOT分析は4つの要素から構成されます。
詳細は「Strength:強み」「Weakness:弱み」「Opportunity:機会」「Threat:脅威」についてです。
SWOT分析を行う際は、まず外部環境の「Opportunity:機会」「Threat:脅威」から分析をはじめます。
市場や社会の状況を理解していないと自社の強みをどう生かし、どこにビジネスチャンスがあるのかが曖昧になってしまうからです。
外部環境のリサーチには「PEST分析」も行うと、より詳しいリサーチが行えます。
ちなみに、そんなPEST分析についてはこちらの記事をおすすめします。
外部環境を踏まえたうえで、自社の強みと弱みを客観的に洗い出してください。
強みと弱みの抽出には、「3C分析」が有効です。
さまざまなビジネスモデルで3C分析は使いやすいとして知られています。
3C分析については、ぜひこちらの記事をご覧ください。
Strength:強み
Strength(強み)は文字通り、自社や自社製品・サービスの優れている点を洗い出すものです。
例えば、ヘアサロンであればカラー診断や顔タイプ診断ができる、ネイルサロンも併設しているなどプラスアルファのサービスを提供していることは大きな強みです。
飲食店であれば、地元食材のみ使用してたり、立地が良い事、価格なども強みにすることができるでしょう。
1つの強みだけでは競合に勝つのが難しくても、いくつかを組み合わせることで他にはない優位な点とすることもできます。
お客さまがなぜ自社を選ぶ必要があるのか、なぜ選ばれるのかを整理してみてください。
もし強みを引き出すための知識をもっと欲しいと思う方は、こちらの記事もご覧ください。
Weakness:弱み
弱みは前述の強みとは反対に、自社や自社サービスに不足している点です。
強みで整理した「なぜ自社が選ばれるのか」とは逆に、「なぜ他社を選ぶのか」「他社の方が優れている点」「今の自社では補えないお客さまの願望」を書き出すと良いでしょう。
実は、この弱みこそがビジネスを飛躍的に発展するキッカケになります。
「いや、強みはわかるけど、なぜ弱みがキッカケになるの?」
そう言いたい人もいることと思います。
少しだけ深堀させていただきます。
弱みがあるからこそ得られるメリット
実はこの弱み。商品を販売する側としたら目をそむけたくなるものばかりです。
その証拠に、目を背けたくなるものは次のようなものがあります。
- 価格が他社より高い
- サービスの価値が低い
- 売上が低い
- 給料が安い
- 勝負にならない
ちょっと考えただけで、弱みはいくらでも生まれてきます。実はこの弱みをどこまで俯瞰出来ているかが重要なんです。
コピーライティングにおいて重要なのは、俯瞰してリサーチをすることですよね。
多くの場合、一社を見て「あの会社より高い」と言い、別の一社を見て「あの会社の方がサービスが濃い」と言います。
つまり、商品を販売する時点で、自社が他社より劣っていると思い込んでいるんです。
その状態では、どんなに優秀なコピーライターが参入してもうまくいきません。
100%完璧な商品はこの世に存在しません。ですが、完璧を目指す商品サービスなら星の数ほど存在します。
自分・自社がどんな弱みを握りしてめているかをまず俯瞰して、なんか一つでも勝ち目のあるものを発掘しましょう。
そのためにSWOT分析はとても便利です。
Opportunity:機会
Opportunity(機会)では、チャンスになるような市場動向や、経済活動全般、競合の動きなどを整理します。
以前行った美容室向けオンラインサービスを行っている企業のSWOT分析では、次のような結果を導き出すことができました。
しっかりと整理してSWOT分析を行うと、次のような課題が明確になりやすいです。
- 美容室店舗数が年々増加傾向
- 美容業界にもオンライン化の流れが来ている
- 経営に課題を持つ美容室が多い
これらを「機会」として情報を吸い上げ、自社のマーケティング戦略に活かしていきます。
Threat:脅威
脅威とは、自社の強みを打ち消してしまうマイナスの外部環境のことです。
外部環境は、自身で影響をコントロールすることは難しいです。ですが、状況を把握することでその後の対策によってビジネスチャンスに繋げることも可能です。
2020年から広がっている新型コロナウィルス感染症における現代情勢を例に挙げます。
とてつもなく大きな脅威の一つでしょう。
実店舗をメインにしていた企業や事業者の多くは大幅な売り上げ減少を経験しています。
また、前述の「機会」でご紹介した美容室向けサービスの場合、「競合の増加」や「低価格美容室の増加」「価格競争の激化」などが脅威とされました。
戦略を練るときは多角的視点を持とう:クロスSWOT分析
SWOT分析で外部環境と内部環境を要素ごとに分析した後、目標達成に向けての具体的な戦略を立てます。
ここで使われるのが「クロスSWOT分析」です。
内部環境と外部環境をそれぞれ組み合わせて、あらゆる角度から戦略の方向性を作成しなくてはいけません。
機会×強み
「積極化戦略」とも呼ばれ、戦略を作る上で最も重要な項目です。
大きく売上を伸ばし、ブランド力を上げるために自社の強みを「プラスの外部環境」に対してどう活かし、施策を取っていくかを考えます。
機会×弱み
自社の弱みを補強したり改善したりして機会を活かす戦略を考えます。
すぐに補強できる弱みと、時間がかかるものがあり、すぐできるものはできるだけ早く対策して機会を逃さないようにしなくてはいけません。
時間がかかるものは段階的に改善していきます。
脅威×強み
強みを活かして脅威による影響をどう切り抜けるか戦略を立てる必要があります。
競合も同じ脅威を受けているはずなので、強みによって差別化を図ります。
脅威×弱み
脅威による影響を最小限にとどめるため、最悪の事態に備えて対策を考えておきます。
場合によっては非常に大きな打撃となる事があります。
弱みを早期に改善・補強することや、事業転換も想定するなど、細かく考えておくことが大切です。
まとめ
最近では、公的な補助金の申請資料でSWOT分析の要素である「強み・弱み・機会・脅威」を記載することも多くなっています。
SWOT分析は明確な戦略を立てるために非常に役に立つフレームワークです。
SWOT分析の4つの要素を洗い出すだけではなく、内部環境と外部環境を組み合わせ、あらゆる角度から戦略を導き出すことが大切です。
クライアントさまのコピーライティングをする際も、このSWOT分析を行えば強みを活かして効果的な文章が作成できるので、ぜひ活用してください。
メルマガではこういったマーケティングについてさらに具体的にご紹介しています。
コピーライティングやマーケティングをもっと詳しく知りたいという方は、ぜひ読んでみてください。